【壱】
ぼ、ぼくは
しょうらい
おうさまに
なるんだな
そして
き、きみは
しょうらい
じょおうさまに
なるんだな
これからさきもずっと
やつらをおいはらうすべは
なにもないんだな
だからこそ
ぼくらはやつらを
だしぬくことができるんだな
いちにちだけだけど
ぼくらは
ひ、ひぃろぉになれるんだな
たったいちにちだけだけど
【弐】
き、きみはときどき
いじわるになるんだな
そして
ぼ、ぼくは
しろくじちゅう
お、おさけをのんでるんだな
だって
ぼ、ぼ、ぼくらは
こ、こいびとどうしだからな
そしてそれは
ほ、ほんとのはなしなんだな
ぼ、ぼ、ぼくらは
こ、こいびとどうしなんだな
そしてそれは
た、ただそれだけのはなしなんだな
このさきずっと
ぼ、ぼ、ぼくらをひとつにむすびつけるものは
なにひとつないんだな
だからこそ
ぼ、ぼ、ぼくらは
ときをぬすむことができるんだな
いちにちだけだけど
ぼ、ぼ、ぼくらは
ひ、ひ、ひぃろぉになれるんだな
こ、これからさきもずうっと
【参】
ぼ、ぼくはきみが
お、およげればよかったのにとおもうんだな
い、い、いるかみたいに
い、い、いるかがおよぐみたいに
このさきずっと
ぼ、ぼ、ぼくらをひとつにむすびつけるものは
なにひとつないんだな
だからこそ
ぼ、ぼ、ぼくらは
やつらにひとあわふかせることができるんだな
これからさきもずうっと
ぼ、ぼ、ぼくらは
ひ、ひ、ひぃろぉになれるんだな
いちにちだけだけど
【肆】
ぼくは
おぼえている(おぼえてる)
ぼくらが
あの
かべのそばにたっていると(あのかべのそば)
ぼくらのあたまのうえで
どんぱちがはじまった(あたまのうえ)
そして
ぼくらは
せっぷんした
まるで
なにも
おちてこないかのように(なにもおちてこない)
【伍】
そして
あの
はずべきこうい
― あのおそるべき
ざんぎゃくこうい ー
をしらずしらずのうちに
あるいはみずからのぞんで
おこしてしまったという
あの
ざいあくかんは
― こっちがわにじゃなくて
かんぜんに ー
あっちがわ
にあったんだな
だからこそ
ぼくらは
やつらを
ねじふせることができるんだな
これからさきもずっと
そして
ぼ、ぼ、ぼくらは
ひ、ひ、ひぃろぉになれるんだな
いちにちだけだけど
【陸】
ぼ、ぼ、ぼくらは
なにものでもない
くずどうぜんの
ちっぽけな
そんざいなんだな
そして
なにも
ぼくらの
たすけにはならない
たぶん
ぼくらは
うそをついている
なので
きみたちは
ぼくらのいうことに
みみをかす
ひつようはないんだな
でも
ぼくらにとっては
そのほうがずっとありがたいんだな
いちにちだけだけど
たった
いちにちだけだけど