私はその類(たぐい)ではない

「数」とは何か、そしてそれはどうあるべきか

この瞬間に絶望は終わり、そして戦略が始まる

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The Pop Groupの1979年リリースの作品『 We are all prostitutes』(7インチシングル)のジャケットには同曲の歌詞が印刷されているのだが、その最下行に次のようなセンテンスがある(この部分は歌唱されない)。

"at this moment, despair ends and tactics begin"
<訳>この瞬間に絶望は終わり、そして戦略が始まる


これは、Raoul Vaneigem(ラーウル・ヴェネイジャム)著、「The Revolution of Everyday Life, 1972」http://library.nothingness.org/articles/SI/fr/display/36(日本語版なし、仮訳『日常生活の革命』、オリジナルのフランス語版は1967年発行)からの引用だと思われる。同書は、1960年代の左翼活動家たちにとってのバイブルであるらしく、フランス五月革命(1968年)の一因になったとさえ言われている。

1979年当時、The Pop Groupのメンバーたちが何の戦略・戦術も持ち合わせていなかったのは明白だ。また、非常に残念ではあるが、現在も彼らは何の戦略・戦術も持っていない。だから、彼らは相も変わらず音楽活動をやるしかないのだ。彼らのファンであった我々自身も、現時点では、「すべての人に値段が付けられている」この屈辱的な世界を変革するための具体的な戦略・戦術を何も持っていないことを認めなければならない。だが、そんな状態をいつまで続けるのか?

社会変革の具体的な戦略の一例としては、無線ネットワーク通信の分野において、新たなる『市民帯域』(Citizens' band)を創設ないし獲得することが考えられる。いつになるかは分からないが、専門の通信事業者に依拠することなく、市民が自力で高速の無線通信を行えるような時代がきっと来るはずだ。